性能と物性について

「EMC簡易シールドルーム」はペースメーカ防護服にも使用されている電磁波を防止する銀繊維(ナイロンに純度99.9%の銀をコーティングしたもの)をハニカム(六角形)メッシュ状(網目約1ミリメートル)に編み上げ、さらに導電アクリルコーティングして耐久性を増した新素材「EMC対策用MGネット」を使用しています。

MGネット」はナイロン繊維がもつ「軽い、柔軟」、銀がもつ「導電性、電磁波シールド性」、ハニカムメッシュがもつ「透光性、通気・放熱性」等の特性を併せ持った素材として、多種多様な電磁波対策に用いられております。

高周波電磁波を反射する
MG(マイクロウェーブ・ガード)ネット

  • ・高周波電磁波(100kHz~数十GHz)を遮断
  • ・静電気(帯電)防止
  • ・高耐久性(折り曲げや摩擦に強い)
  • ・透光性、通気性、放熱性が高い
  • ・超軽量(20g/㎡)
  • ・導電防錆加工(2年以上性能保持)
  • ・長繊維で毛羽やホコリが出にくい
  • ・カットしてもほつれない

KEC法 電界シールドデータ

周波数ごとにMGネットを1~4枚を重ねた時の電界シールドデータ(dB:デシベル単位)です。※40dBで99%、60dBで99.9%のシールド性能があります。携帯電話を完全に圏外にしたい場合は40dB以上のシールド性能が必要ですので、MGネット3重以上してご使用下さい。

KEC法電解シールドデータ

▲MGネットの重ね合わせによる近傍電界に対するシールド性能の比較(KEC法):Measurement Limitは測定限界値を示す。MGネットを重ね合わせることにより1MHz~2.5GHz高周波電磁波に対しシールド性能が20dB→60dBへ上がることが分かる

KEC法電界シールド測定方法

MGネットの重ね合わせによる電磁波シールド性能の比較

MGネットの重ね合わせによる電磁波シールド性能の比較を行った。近傍電界に対するシールド性能を、KEC法を用いて右のとおり計測した。結果を(上の表とグラフ)に示す。この結果より、MGネットを重ねで使用することにより、1MHz~2.5GHz高周波電磁波に対しシールド性能が上がることが分かる。KEC法による近傍電界に対するシールド性能測定方法(図1)

(図1)

フリースペース法 電界シールドデータ

周波数ごとにMGネットを1~6枚を重ねた時の電界シールドデータ(dB:デシベル単位)です。MGネットの各周波数帯域におけるシールド性能評価を米国のHVS Technologies, Inc.(電子音響研究センター付属電磁吸収遮蔽材とテスト設備専門機関)にて実施した。その結果、周波数0.045GHz~1.4GHz時で遮蔽率30~40dB以上、周波数7.75GHz~13.0GHz時で遮蔽率20~40dB以上の電磁波シールド性能が確認された。詳細を表2に示す。

テスト実施日 1997年12月10日
測定施設 HVS Technologies, Inc.(米国の電子音響研究センター付属電磁吸収遮蔽材とテスト設備専門機関)
測定者 Prof. Vijay K. Varadan(アメリカ ペンシルバニア州立大学 電子音響材&装置工学研究センター)
使用電磁波遮蔽材 MGネット
測定機器 HVS Free Space Microwave Measurement System
測定方法 HVS Free Space Microwave Measurement Systemを用いたMGネットの電磁波吸収率と透過減衰率の測定
測定結果
  • 周波数0.045GHz~1.4GHz時:
  • 吸収率:1%前後
  • 遮蔽率:30~40dB以上
  • 周波数7.75GHz~13.0GHz時:
  • 吸収率:1%前後
  • 遮蔽率:20~40dB以上

ミリ波遮蔽試験データ ※クリックで拡大画像表示

導電性とその他の物性

以下の表は導電性(表面抵抗値)とその他の物性です。さらに各洗濯法にて洗濯後の物性を比較している。

初期(経/緯) 洗濯JIS L0217 103法 洗濯JIS 1042バークレン法DC5(経/緯) 備 考
HL5(経/緯) HL10(経/緯)
表面抵抗値(Ω/10×10cm) 1.4/3.0 1.6/4.0 2.4/3.3 2.2/4.8 下記参照
収縮率(%) - 3~8/0 8~14/-13~-6 1/3 +は縮み-は伸び
引張り強度(kgf) 3.1/2.2 - - - 2.5cm幅
引裂き強度(kgf) 0.2/0.2 - - - シングルタング法
表面抵抗測定方法(測定条件)
  • 1.試料サイズ:120㎜×100㎜(経方向、緯方向それぞれの用意をする。)
  • 2.電極(グリップ):10㎜×100㎜(試料接触部)
  • 3.テスター:HIOKI製 3220 mΩ HI TESTER
  • 4.試料の両端を電極間100㎜になるように挟む。
  • 5.試料の経方向、緯方向の抵抗値を読みとる。

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