性能試験データ

上の電磁波シールドグラフは周波数30Hz~300KHzに於ける「遮蔽磁界強度」を測定したものです。EMSパネルは従来の皮膜素材ではほとんど遮蔽性能がなかった 交流電流やIH調理器などから発生する低周波磁界を遮蔽します。下のグラフは高周波電磁波のイズに於けるKEC法で計測した電界シールドデータです。

電磁波を遮蔽します。

理論的な裏付け

1. 電磁遮蔽効果の理論式

Sが大きいほど、電磁遮蔽効果は高くなる。したがって電磁シールド素材にはδが大きな素材を選ぶ必要がある。EMSパッドには、高透磁率磁性材シート(120μm厚)を使用した。

2. 素材の多層化による電磁遮蔽率の向上

素材を多層化したときの電磁遮蔽効果Sの理論式を下記に示す。

Sが大きいほど、電磁遮蔽効果は高くなる。電磁シールド素材を積層化させることにより、電磁シールド性能が向上する。EMSパネルは、アルミニウム箔と高透磁率磁性材シートの5層構造で構成されている。

3. 遮蔽磁界強度測定試験

遮蔽磁界強度の測定には下記の方法を用いる[図2]。トラッキングパルスを送信ループアンテナから送信、被測定素材を隔てた受信ループアンテナにて受信し、遮蔽強度を測定する。


▲ 図2 遮蔽磁界強度測定試験方法

EMSパネルの遮蔽磁界強度測定試験結果を図3に示す。本シートは、アルミニウム箔と高透磁率磁性材シートの5層構造で構成することにより、0.7mmの厚さにもかかわらず、素材値における遮蔽磁界強度測定試験において、100Hzから300Kzの低周波電磁界で最大60dB(99.9%)程度の遮蔽率が確認された。IH電磁調理器から発する低周波電磁界は20kHz~30kHzがもっともエネルギーが強いのを確認しており、その付近の遮蔽率は60dB(99.9%)あると確認された。


▲図3 シールド性能の測定データ
(※注10の2乗の対数目盛なので均一ではない)

参考文献:最新 電磁波の吸収と遮蔽,日経技術図書

4. 高周波電磁波の反射率が高いと、他の機器への影響が大きくなる

  • ・反射電磁波の拡散:高い反射率を持つ材料は、電磁波が広範囲にわたって拡散され、周囲の機器が反射された電磁波の影響を受けることがある。
  • ・電磁干渉 (EMI):反射された電磁波が他の電子機器やシステムに侵入することで、電磁干渉が発生し、その機器の正常な動作を妨げることがある。
  • ・電磁環境の複雑化:反射電磁波が複数の方向に散乱することで、電磁環境が複雑化し、予期しない場所での電磁干渉が発生するリスクが高まる。これにより、特定の機器やシステムに対する影響を予測しづらくなる。
  • ・シールド効果の低下:反射率が高い材料を使用する場合、電磁波の再放射や共振を引き起こし、期待するシールド効果が得られず、電磁波の制御が難しくなる。

実例 カプセル内視鏡用電磁波防護服(CESプロテクター)の誤動作検証試験

  • カプセル内視鏡用電磁波防護服の開発に際して、MGネット2重(約40dB)とMGネット4重(約60dB)の素材で防護服を作成し、人体ダミーにカプセル内視鏡のアンテナを人体各部7箇所に設置し、腹部にカプセル内視鏡を埋め込み、各防護服を着用してテレメーターの周波数帯域で電磁波を照射し、アンテナを近づけでエラーの発生距離を測定した。
  • ・MGネット2重(約40dB):7つのアンテナの位置によってエラーでる距離にバラツキがでなかった。ほぼ均一にエラーが出る距離が縮まった。
  • ・MGネット4重(約60dB):7つのアンテナの位置によってエラーでる距離にバラツキが出て、アンテナ位置によっては遠い距離からでもエラーが出た。
  • 詳細は以下の資料を参照下さい。
  • MGネット2重(約40dB)と4重(約60dB)のカプセル内視鏡への影響比較試験

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